牽引型AGVを販売開始
椿本チエイン「ACTDOM®」と開発段階で連携

AGV(無人搬送車)の開発から導入までを一貫して手掛ける四恩システム株式会社(本社:福岡県久留米市、以下「四恩システム」)は、同社が取り扱うAGVのラインナップに新機種『RETAINER(リテーナー)』を追加し、販売を開始しました。
同製品は、株式会社椿本チエイン(本社:大阪府大阪市、以下「椿本チエイン」)が開発を手掛ける自動連結切り離しユニット『ACTDOM®(アクトダム)』(令和7年7月時点、開発中)と開発段階から連携し、高度な搬送の自動化を提供します。

RETAINERは、屋内向けの牽引型AGVです。荷物を載せた台車やトレーラーなどを後ろに引っ張って搬送し、最大1100kg(台車含む)まで牽引可能です。機械部品のような重量物を搬送する場合や、多くの荷物を一度にまとめて搬送したい場合などに適しており、製造工場等への導入・活用を見込んでいます。

RETAINER

ACTDOM®との連携により実現できる機能

RETAINERは、開発構想段階から「ACTDOM」との連携を目標としており、今回実際に達成したことで、次のような機能が実現可能となりました。

①自動後退駐車

ACTDOMには後退駐車機能が実装されており、これは従来の牽引型AGVでは実現できなかった大きな特長となります。
あらかじめ指定した位置に自動で整列駐車できるため、搬送経路上に台車を置き去りにすることがなく、通行の妨げとなることを防ぎます。

RETAINER リリース 1

後退駐車の様子

②台車の自動連結・自動切り離し

牽引型AGVは多くの場合、AGVと後ろの台車の連結を人の手で行う必要があります。そのため、台車との連結・切り離し地点に作業員が留まる必要があり、生産性向上のために省人化を目指す現場において課題点となっていました。
ACTDOMは、マーカー認識により台車の位置を検出し、自動で連結・切り離しを行います。マーカーを取り付けることで、様々なサイズの台車に対応可能です。この機能により、搬送時の大幅な手間の削減が可能となります。

RETAINER リリース 2

自動連結の様子

RETAINERにACTDOMを搭載する場合は、牽引オプションとして選択が可能です。上記に挙げたような強みを活かし、四恩システムでは椿本チエインと連携しながら、RETAINERとACTDOM®を併せてユーザーへ提案していくことを目指します。

床認識による誘導方式にも対応

四恩システムは、同社が日本で初めて床認識センサを採用し開発した技術「Floor SLAM(フロアスラム)」を、AGVの誘導方式オプションとして取り扱っています。Floor SLAMは、床の模様や傷などを認識することで、ガイドを必要とせずAGVを誘導する技術です。高精度な位置認識が提供可能で、周囲の環境変化に強いといった特徴があり、RETAINERはこの「Floor SLAM」にも対応しています。

RETAINERの販売にあたっては、1100kg牽引という本来の性能に加え、ACTDOM®連携やFloor SLAMへの対応など四恩システム独自の強みを発揮することで、連結時の手間を減らしたい、環境変化の多い現場へ導入したいなど、ユーザーの様々な要望に応え、より高度な自動化を提供していきます。

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